センター長 挨拶
令和6年4月1日付けで神戸陽子線センターのセンター長を拝命しました、徳丸 直郎(とくまる すなお)と申します。
神戸陽子線センターは、日本で初めて小児がんに重点を置いた陽子線治療施設として2017年12月に開設されました。小児がんの治療実績は設立初年度から全国トップレベルで、現在も日本全国から多くの患者さんが治療に来られています。
小児がんは、治療成績の向上に伴って長期生存者の晩期合併症が問題になっています。陽子線治療は放射線治療後の晩期合併症を減らせる可能性があるとして、小児がんに非常に期待されている治療法のひとつとなっています。
当センターは「あなたらしさを大切に 通いでできるがん治療」を合い言葉に、神戸の交通の便を活かして成人の治療も積極的に行っており、働きながら・学校に通いながら、がん治療をされている方も多くおられます。また、ポートアイランド内の多くの医療機関と密に連携を取りながら高度な医療を行っています。
条件を満たせば保険適用となる肝細胞がん、肝内胆管がん、膵臓がん、前立腺がん、骨軟部腫瘍、頭頚部がんの治療実績数も多くあります。保険適用についてはこれからもまだまだ見直され、令和6年6月1日より早期肺がんが保険適用となることが決まっております。疾患自体がまだ保険適用外で先進医療として行われる食道癌等や、条件を満たさず先進医療として行われる上記疾患等においても、近隣の施設と連携を取り化学療法などを併用してよりよい陽子線治療を提供しております。
また、当センターは従来の粒子線治療法(ブロードビーム照射といいます)だけでなく、スキャニング照射という最新の粒子線治療法にも対応しています。
私は幼年時喘息等で長期入院していたことがあり、病院で仲良くなった友人が、がんのために会えなくなるという経験をしました。学生時代にしていたラグビーや水泳では、discipline(規律)をもって努力すれば、記録の壁が越えられることや、難しい相手にも対等以上に戦えることを経験しました。
陽子線という武器をfullに活かし、がんという難敵に向かってスタッフ一同、誠実に尽力して参ります。今後とも当センターをよろしくお願い申し上げます。